かつてこの街は、危険ではあったが、活気がみなぎり、陽気で華やかなエネルギーに満ちていた。しかし人々は、安全と静かで落ち着いた暮らしのために、進んで自由を明け渡し、今やそこは不毛な鏡の都市となっている。
フェイスは、そんな街の変化を眺めながら育った。彼女の家族は、変わりゆく街を止めようとする市民運動に参加していたが、ひとり、またひとりと挫折し、屈していった。そして、そのときフェイスは走ることをはじめた。
四年後、フェイスはランナーとして、自由を発見する。ランナーとは、塵ひとつない都会の何千フィートも上空にある隠れた通路、そう「鏡の境界ミラーズエッジ」を走り抜ける運び屋という人種だ。ランナーは自らの体で重力の壁を越え、都会の環境を利用して警官の手を逃れ、何でも運ぶ。ランナーが運ぶ「ブツ」は、政府が通常の輸送を許さない品々である。
フェイスは、ランナーの中でも最高の人材のひとりだ。どんな警官も、彼女を止めることはできない。どんな街も、彼女の邪魔はできない。境界を走り抜けながら、フェイスはひと息ごとに瞬時の判断を下す。生か、死か。高く駆け上がるか、一気に駆け下りるか。力いっぱい走っているとき、街を抑えつける支配者からは、まったくの自由だった。
完全無欠の街で、完全犯罪を計画した者がいる。フェイスの双子の妹が、容疑者としてでっちあげられた。当局は事件の収拾にかかり、真犯人は逃走しようとしている。フェイスは時間と銃弾に追われながら、真実を追って走り始めた。
ストーリー